名刺と口コミだけで仕事を回していた個人事業主が、テンプレートで作ったサイトの壁にぶつかり、「営業設計」という考え方で成果につながるホームページを手に入れたストーリーです。
開業した頃、その方にはホームページがありませんでした。名刺と口コミ、あとはSNSでの発信。それだけで、なんとか仕事を回していました。個人事業主や小規模事業者として独立したばかりの人の多くが、同じような状態からスタートするはずです。
ただ、営業の場では、いつも同じ壁にぶつかっていました。「実績を見せてください」と言われても、見せる場所がない。「詳しい内容はどこかで見られますか」と聞かれても、答えられない。話した相手の記憶の中にしか、自分の仕事は残りませんでした。
このままではいけないと思い、最初はテンプレートを使って、自分でホームページを作りました。数日で公開でき、見た目も悪くありませんでした。けれど、公開してから気づいたことがあります。アクセスは来ているのに、問い合わせにつながらない。サイトを見た人が、次に何をすればいいのか分からないまま、ページを離れていく。
原因は、デザインでも文章でもありませんでした。ホームページに「営業の意図」がなかったのです。
誰に向けて、何を伝え、どこに導くのか。その設計図がないまま作られたホームページは、どれだけ見た目を整えても、営業の役には立ちませんでした。そこから、マーケティングの視点で課題やターゲットを整理し、営業の方向性を作ることを、仕事の軸に据えるようになりました。これを「営業設計」と呼びます。
ホームページを作る前に、まず考えるべきことがあります。
この順番を守ってから作り直したホームページは、以前とはまったく違うものになりました。表示速度にもこだわり、訪問者が実際にその場で速さを体感できるようにしました。問い合わせ前の不安を先回りして解消するページも用意しました。
作り直してから、変化がありました。問い合わせの数だけでなく、問い合わせの「質」が変わったのです。「話を聞きたい」という漠然とした連絡ではなく、「このプランで進めたい」という具体的な相談が増えました。ホームページが、名刺代わりではなく、営業担当の一人として働き始めた感覚があったといいます。
まだ実績が多くない段階でも、営業設計ありのサイトとなしのサイトを見比べてもらうアンケートで、同じ傾向が見え始めることがあります。数字はこれから増やしていく段階でも、確かな手応えとして語れるものです。
ホームページがなかった頃を知っているからこそ、伝えられることがあります。なんとなく作ったホームページと、営業設計をしてから作ったホームページの差は、見た目では分かりません。けれど、営業の現場で使ってみると、はっきりと違いが分かります。